マラソン、トライアスロンのタイム向上のためのブログ

マラソンやトライアスロンの持久力向上を目的とした情報を集め、自身で実践するブログです。

マラソンの30km走について考える

ラソンシーズンに入り、近くの河川敷でもランナーを多く見かけるようになってきました。

 

フルマラソンを走るにあたり、よく聞かれるのが「30kmの壁」。

これを乗り越えるための練習として30km走をされる方もいると思います。

人によっては40km走や3時間走など30km以上の距離を走る方もいます。

 

今回は30km走という練習が、フルマラソンを走る上で有用なのかどうか、自分なりにまとめてみたいと思います。

 

まず、30km走とは実際のレースペースかそれよりも少し遅いペースで30kmを走破するというトレーニングです。

非常に負荷の高い練習の部類に入るでしょう。


そのため毎週なんてできないし、月一回、又は本番前に一度行う程度ではないでしょうか。

たまに月に何度もしている鉄人のような人もいますが、少数派だと思います。


【そもそも海外では距離よりも時間基準】

長距離練習の基準は距離か時間かであることが多いです。

何km 走ったか、何時間、何分走ったか。


ことさら日本では距離が基準におかれています。

ですが海外では距離ではなく時間です。

60分ペース走とか、2時間走とか。

なぜ時間基準なのでしょうか?


それは、長距離練習の負荷は、どれくらいの心拍数で、どのくらいの時間トレーニングしたかで決まるからです。

ペースではなくて「心拍数」。距離ではなく「時間」。


同じペースで10kmという決まった距離を走る場合を想定します。

 

経験者のAさん、初心者のBくん。

どちらも5:00/kmのペースで走り、Aさんは平均心拍数130で走り終えました。Bくんは息を切らせながら平均心拍数170で走りました。

Aさんにとって5:00/kmで10km走るというメニューはジョグ程度だったが、Bくんにとってはタイムトライアルのようなかなりハードなトレーニングだった。

これは極端な例ですが、ペースで管理すると同じ練習でもその人によって得られる効果が違ってきます。

時間あたりどのくらいの負荷をかけたかで心肺機能、筋肉が反応し、強化されるからです。


次に、距離ではなく時間。

今回の30km走もそうですが、同じ心拍数でも、4:00/kmで走るのと6:00/kmで走るのとでは意味が違ってきます。

4:00/kmで走るとちょうど2時間で走り終えますが、6:00では3時間。

仮にどちらも同じ心拍数で走りきったとしたら、6:00/kmで30km走った方が負荷が高い。

心拍数は同じですが、1時間長く走り続けているからです。


レーニングの負荷は心拍数×時間です。

この両者のトレーニング負荷を同じにするには、6:00/kmで走る人は距離を20kmにすることで時間が2時間とする必要があります。

 

 

【30km走の目的】

30km走の目的としては、長時間中強度で走る事で身体を適応させる、距離に対する恐怖心を払拭する、レース前の仕上がりを確認する、などでしょうか。

 

であるとするなら、30km走をする事について、いくつか疑問が出てきます。

 

まず、身体を適応させることについて。これは30km走を日頃のトレーニングとして毎週または隔週など定期的に行っている場合ですが、負荷が高すぎます。

ペースにもよりますが(かかる時間が違ってくるので)、サブフォーランナーでも2時間半~3時間程でしょう。

レーニングで身体を適応させる場合、トレーニングとリカバリーのサイクルをいかにスムーズに回すかが重要となります。

30km走の場合、2時間程度で走った場合でもリカバリーに3日はかかるでしょう。2時間半〜3時間だとそれ以上に、マラソン初心者の場合1週間疲労が取れないことも考えられます。

30km走の次に負荷をかけるトレーニングはその疲労が取れた後。

つまりダメージが大きすぎて、単独での効果は大きいかもしれませんが、月、週単位でみるとトレーニング効果としては少なくなってしまいます。


次に距離に対する恐怖心について。

これは効果がありそうな気がします。

人は知らないこと、体験したことがないことに対して不安を覚えるといいます。

本番前に30km付近での疲労感などの感覚を知ることができ、不安の軽減につながるでしょう。

ただ、これは30km以上の距離を走ったことがない、初心者には有効だと思いますが、すでに走った経験のある人にとっては効果が薄いと思います。


次に、レース前の仕上がりを確認することについてですが、先にも述べたトレーニング負荷が高すぎてリカバリーに時間がかかる、という点からあまりおすすめできません。

ラソンシーズン中に行うのであれば、10kmのタイムトライアルなど短い距離の全力走でもいいのではないでしょうか。

 

【トレーニング時間ごとの効果】
海外の記事に目を通していると、練習を時間で区切ってあることが多いですね。

・3~5分インターバル(乳酸耐性向上)

・~30分(VO2max向上)

・30~90分(LT向上)

・90分~(脂肪代謝能力向上)


ちなみに実業団や海外のプロの選手は普段のトレーニングメニューに30km組み込んでいるケースもあります。

ただ、彼らは3:10~3:30/kmという早いペースで走っているので、30km走っても1時間30分~45分程度で走ってしまいます。


自分でも、中程度の強度でのトレーニングは60~90分(概ね70分前後)が、フォームなど動きの質も下がらず、疲労も残りすぎずちょうど良いのではないかと感じます。


【結論】

30km走はマラソンシーズン中に行うには負荷が高すぎるため、行う時期や方法など検討する必要がある。